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猫の片側乳腺腫瘍切除術②縫合

病理組織診断書
所見
提出された右第1-4乳腺組織には、第4乳腺部に2.5×1.7×1.7cmの腫瘤と0.9×0.4×0.4cmに腫大した鼠径リンパ節を認めました。この腫瘤を横断で切り出し、乳腺組織長軸断端部と鼠径リンパ節も含め、6枚の標本を作成しました。標本上、この組織では乳腺組織を主座として、やや教会不明瞭な乳腺腫瘍が観察されます。腫瘍細胞は立方〜多角形で、少量の結合組織で区画された不規則な管状乳頭状〜胞巣状構造を形成しています。腫瘍細胞は明瞭な核小体を中心に持つ円形から楕円形核と、好酸性細胞質を有しています。細胞や核の大小不同は中等〜高度で、核分裂像は高倍率1視野あたり1-3個観察されます。腫瘍組織は周囲脂肪組織に浸潤しています。脈浸潤像も観察されます。標本上、腫瘍は切除縁では観察されません。
右鼠径リンパ節では上記と同様の腫瘍が増殖しており、既存組織構造をほぼ置換しています。

病理組織学的評価
乳腺腫瘍:乳腺単純腺癌、右鼠径リンパ節転移を伴う

コメント
提出された乳腺組織には悪性の乳腺腫瘍が検出されました。猫の乳腺癌は完全切除された後でも高率に転移する腫瘍です。本症例では、腫瘍は切除縁では観察されませんでしたが、腫瘍の脈管浸潤像やリンパ節転移が認められましたので、再発や転移に注意が必要です。
猫の乳腺癌は一般的に浸潤性を示し、しばしば所属リンパ節と遠隔部位に転移する侵襲性の悪性腫瘍です。この種の腫瘍は切除が不完全な時には、頻繁に再発します。卵巣を摘出していない雌では卵巣を摘出しためすと比較して、この腫瘍の発生頻度がより高くなります。犬の乳腺腺癌とは異なり、猫の乳腺腺癌は通常エストロジェン受容体を欠きます。転移は少なくとも25%の症例で起こり、通常は初めに腋窩または鼠径リンパ節にそして病期の後期に肺と胸膜を含む遠隔部に転移します。最近の研究では、腫瘍の大きさを重要な予後因子としています。この研究では、直径3cm未満の乳腺腺癌を有する猫の生存期間中央値は21ヶ月でしたが、一方、3cm以上の腫瘍を有する猫の生存期間中央値は12ヶ月あったということです。

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有料コンテンツ

2018-12-08 10分

講師 大西 勝久 先生 (手術屋助手)
動物 雑種猫,メス,13歳,4.5kg