グルコース(Glu) 346 参考基準値 70-143 mg/dL
病理組織学的診断
【 診 断 】
胆嚢:軽度、増殖性、カタール性、胆嚢炎、Mild proliferative catarrhal cholecystitis
【 所 見 】
胆嚢:粘膜は、異型性のない丈の高い円柱形の上皮細胞の腺管状・乳頭状増殖(過形成)によって軽度に肥厚しています。上皮細胞は活発に粘液を産生しており、細胞質に黄褐色色素(リポフチンのよう)が認められます。粘膜固有層に稀に、ごく少数のリンパ球・形質細胞が浸潤しています。胆嚢壁に著変はありません。
【 付 記 】
胆嚢炎は、十二指腸から総胆管を通じて逆流した腸内細菌、あるいは、近傍の肝臓循環から血行性に到達した細菌によって生じると考えられています(Pathology of domestic animals,6th ed.,M.G Maxie et al.eds., Vol.2 p.306-307, 2016, Elsevir)。今回の標本には細菌そのものは認められませんでしたので、細菌抗原の刺激があったのかもしれません。
【 診 断 】
肝臓:
肝細胞のグリコーゲン変性 Hepatocellular glycogen degeneration
肝小葉の小型化 Miniaturization of hepatic lobule
【 所 見 】
肝臓:肝小葉の直系の平均は約1mmで、基準範囲(1.5〜2mm)を下回っています。グリソン鞘において小葉間静脈はやや小型です。肝細胞の大きさは正常で、び漫性かつ軽度のグリコーゲン変性を示しています。類洞はうっ血しています。中心静脈や被膜に著変は認められません。
【 付 記 】
肝細胞のグリコーゲン変性は、内因性(ストレス、副腎皮質機能亢進症など)や外因性(ステロイドの長期投与など)の高グルココルチコイド血症を示唆する所見です。肝臓には原発性門脈低形成を示唆する所見がありましたが、この程度であれば臨床的に影響はないと思います。
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